“中の人”が教える【新築マンションの値引き交渉法(実践編)】
話題の不動産プロ集団“全宅ツイ”による不動産コラム⑧
◆値引き交渉の成功率を上げるポイント
『条件提示』は値引き交渉の核となる部分です。しかし、それ以外にも交渉の成功率を上げるためのポイントはいくつか存在します。
文字数の関係もありますので、以下に箇条書きでポイントをまとめます。
【① 住宅ローンの事前審査は終えておくこと】
交渉が通っても、ローンが通らなければ意味がありません。しかも、営業担当は上司からめちゃめちゃ詰められます(…つらい)。
そもそもローン審査未通過の状態では売主社内で値引き申請が決裁されないでしょうし、ハナから交渉の土台に乗れないケースもありますので、事前にしっかり終えておきましょう。
【② 親族への相談を済ませておくこと】
本人達が購入する気で話を進めていても親族の反対でキャンセルになる商談は多く、営業であれば誰もが経験する道です。
値引き交渉成立後にこれらの理由で話がフイになったら目も当てられません。誰も幸せにならない。やっぱり事前に相談しておきましょうよ。
「親族の反対は無視しろ」という営業もいますが、これもあまり幸せになれないです。早めに相談して、反対されたら一緒に対策を考えましょう。
【③ 条件は最初に全部提示すること】
営業が「やりました〇〇さん! 値引き通りましたよ!」と報告すると、なぜか一瞬電話口で間が空いたのちに「ありがとうです~。で~。実は主人と相談して~。やっぱり食器棚も欲しいなって~」
…つらい。
業界用語で“二度指し”と言いますが、さすがにこれは通りません。売主に報告したらとてつもなく怒られます。最初の交渉時点で理由と一緒に全部出してください。
【④ 現金をすぐに動かせるようにしておくこと】
値引き応諾の交換条件として、営業サイドからはスピーディーな契約締結や引渡しを条件に出すことが多いです。
「値引き許可が下りたその日か、遅くても翌日に手付金を振込んで、週末に契約できますか。それなら売主説得できます」
そう言われてから慌てて定期預金を解約しに走るのは、なかなか時間的負担と心的負担がかかります。
【⑤ 営業担当を信頼し、仲良くなること】
営業担当も人間です。自分を頼りにしてくれる人のためなら、交渉を頑張ろうという気概も持てます。たしかに相性もありますが、仲良くなって損なことはありません。いい情報を引き出せるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
前回、今回と2回にわたり、我々営業がなかなかお客様に明かすことのない『値引き』の舞台裏について書いてみました。
もちろん一口に「マンション業界」といってもその裾野は広く、私が書いた内容がまったく当てはまらないケースもままあると思います。
しかしながら、この記事をきっかけにみなさんには交渉成立の可能性を少しでも高めて頂き、『値引きをしてでも売り進めたいマンション』と『お得に買いたい顧客』のマッチングが1件でも起これば嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
大手マンションデベ勤務。販売現場一筋で銭湯と高円寺をこよなく愛しています。
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